東京高等裁判所 昭和25年(う)2424号 判決
被告人桜井清の昭和二四年六月一〇附検察官に対する供述調書及び同月一六日附検察事務官に対する供述調書の各記載供述については、特にその任意性に関して疑を挿むべき廉はない。
所論は右供述当時の同被告人の家庭事情等を挙げてその任意性欠缺の根拠としているが、刑事訴訟法第三二五条第三二二条にいわゆる任意性の欠缺とは、かように単に供述者自らその一身又は家庭事情等を憂うる余り供述を曲歪するというに止まらず、その曲歪が取り調職員の誘導若しくは抑制等外部からの強制的動因による場合を指称することは明らかなのに、右供述については斯る動因の加えられた事跡も見出せないから、論旨は理由ない。
(註 本件は量刑不当により破棄自判)